第12章 近親相姦シリーズ 月島蛍の場合
けれどそれは妹が可愛くないから、ではない。
自分には懐かず、兄の明光に懐いているのが不愉快なのだ。
確かに明光は優しい性格で長兄らしく、蛍にも妹にも優しかった。
それに比べて自分は何かある度にからかい、虐めてしまうのだから妹が懐かないのは当然である。
兄の明光は幼少時自分にとっても自慢の兄で懐いていたので、明光の事を大好きな兄である気持ちは理解出来る。
けれど、それは自分なら良い話であり、妹は嫌だと年々思う様になっていたのだ。
少しだけ歳の離れた明光と年子の蛍と妹。
明光が就職で実家を出てからは兄妹二人となつたのだが、明光と言う仲裁役がいなくなった事で関係が少しずつ悪くなってしまった。
妹の事は本当は可愛いのだ。
けれど、それを素直に態度に出せずに意地悪してしまう。それに関しては自分が悪いと理解している。
「…………はぁ」
明光にばかり懐く妹にも、妹に意地悪しか出来ない自分にもイライラせずにいられない蛍なのだった。
◆
「蛍にいお風呂〜」
ある日の夜、何時もの様に妹に呼ばれて勉強をしていた手を止めた。
もう風呂に入らなければならない時間になっていたのかと時計に目をやってから、寝巻きを持ちながら階段を降りる。
先に風呂に入った妹は風呂上がりのデザートにプリンを食べようとしていたらしく、冷蔵庫を開けて取り出していた。
プリンを持つ妹と目が合うと、別に奪おうとなんてしていなかったのにサッとプリンを隠されてしまった。
そんな様子を見るとからかいたくなってしまうに決まっている。
「太るよ」
蛍の一言にカチンと来たらしい。
眉間に皺を寄せながらプイっとそっぽ向きながら妹は答えてきた。
「蛍にいには関係ないじゃん!」
プリンは絶対に食べるし、譲らないと言った様子でいる妹の事を改めて見下ろす。
風呂上がりで濡れる髪に、ほんのりと染まる頬。
薄着かつ下着を付けていないのか、乳房の先端がうっすらとだが勃っているかの様なシルエットをしていた。
それについ、生唾を飲んでしまう。
何時から妹はこんなにも女らしい身体付きに成長していたのだろうか。
大き過ぎず小さ過ぎない丁度良いサイズの乳房。少し小ぶりなヒップに肉付きの良い太腿。
妹は知らぬ間に良い女へと成長をしていたのだ。
「絶対にあげないんだからねっ!」
