第9章 近親相姦シリーズ 黒尾鉄朗の場合
それと一緒に妹の口を塞いでいた布も取り除いて。
「ぁ……ぁう……」
激しいセックスの余韻に浸る妹の膣口を見る。
ゴム無しの生をしたい。研磨に奪われない様に、妹に兄である鉄朗の子を孕ませたくて。
「後一回ヤるぞ」
仰向けにして、ぐぃっと脚を持ち上げる。
そして、膣口に宛がおうとしている陰茎にコンドームが装着されていないのに気が付き、慌てた声色で鉄朗は言われた。
「お兄ちゃんっ!ゴムはしないとっ!」
「……大丈夫」
「で、でもっ……」
「一回位、大丈夫だから。兄ちゃんに気持ちイイのさせてよ」
鉄朗のお強請りに、少し悩んでから上目遣いで尋ねられた。
「……ホントに1回だけ、だよ?」
「兄ちゃんに優しい妹ちゃんで、俺は幸福者だなっ」
許しを得たので、遠慮無く生の挿入を始めた。
本当の意味で肌と肌が触れ合い、男と女の性交をしてしまう。
「アッ!アッ!」
「はっ……滅茶苦茶生……気持ちイイじゃん……」
「お兄ちゃんっ……お兄ちゃんっ!」
妊娠するリスクが高まった所為だろうか、妹の怯える様な、でも今まで以上の快感に喘がずにはいられない様だった。
じゅぶじゅぶと互いの体液が混ざり合い、まるで子を成そうとしているかの様に、身体が反応をしている。
「……お兄ちゃんの子供、妊娠しちゃうか?」
抱き寄せて囁いてみると、首を振りながらにハッキリと鉄朗は言われた。
「だめっ……赤ちゃんは、だめっ !! 」
やっぱり、本当の意味で妹の心までは奪えていないのだと、鉄朗は改めて自覚をした。
そうだよな、俺達は兄妹なのだから。と自嘲気味に笑った。
「……冗談だよ」
「んっ……冗談で、も……だめ…………」
そんな事を言っていても、今自分は妊娠するリスクがあるゴム無しセックスをしているのだと、妹に鉄朗は伝えたくなったが、グッと堪えた。
「可愛い可愛い俺の妹……お兄ちゃんの事、気持ち良くして……兄ちゃんに女の気持ち良さ、全部させて……」
「あぁんっ……お兄ちゃ……ん」
研磨に奪われるまで後一年もない。
その残された時間全てを、兄妹としてではなく、男女として共に過ごし、身体に互い総てを刻み込んで消えなくして欲しいと鉄朗は切実に願う。
妹の身体に、精を吐き出しながら。
(2021,7,17 飛原櫻)