• テキストサイズ

魅せられて【鬼滅の刃/宇髄天元】

第3章 酒の席で


「今日の夕方、煉獄が来るから。」
朝餉の時間、宇髄はひなたに向かってそう言った。
「酒の用意を頼めるか?」
「炎柱様ですね。泊まられますか?」
「そうだな、一応客間の用意を頼む。」
「かしこまりました。」
ひなたはふわりと微笑んだ。


「ただいま。帰ったぞ。」
夕方仕事が終わり、宇髄は家に帰る。
「うむ、邪魔するぞ。」
宇髄の後ろから、炎柱・煉獄杏寿朗が入って来た。
「お帰りなさいませ、音柱様。
 炎柱様、いらっしゃいませ。」
玄関を入れば、ひなたが深々と頭を下げていた。
「君が噂の少女かね。」
煉獄に声をかけられ、ひなたは顔を上げる。
「どのような噂かは存じあげませんが、こちらでお世話になっております、元村ひなたと申します。以後お見知りおきを。」
ひなたが煉獄に笑顔を向けた。
「おいっ、酒の用意は?」
「音柱様のお部屋に準備してございます。こちらにどうぞ」
宇髄と煉獄は宇髄の部屋へと向かう。


「失礼します。」
控えめな声の後で、ひなたが襖を開けた。
宇髄と煉獄は、縁側に座り、月を見ながら酒を酌み交わしていた。
「お酒と肴でございます。」
ひなたは空なった酒瓶を下げ、新しい酒瓶を二人の間に置く。
「やぁ、ありがとうひなた少女。」
煉獄は手に持っていた猪口の酒を一口で飲んだ。
「宇髄のところに押しかけた者がいると聞いていたが、いい子ではないか。」
「もったいないお言葉、ありがとうございます。」
「肴はうまいし、気もきく。おまけに美少女だ。どうだ、俺の継子にならないか。」
「っ、おい、煉獄」
宇髄が咎めるように名前を呼ぶ。
「別にまだ宇髄の継子ではないのだろう?なら問題ないではないか。」
そう、またひなたは正式に宇髄の継子にはなっていない。
宇髄がそう言わないからだ。
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp