第10章 魅せられて
「そう言えばそろそろ誕生日だろ?何か欲しいもんあるか?」
ふと宇髄にそう言われて、ひなたは目をぱちくりさせた。
欲しいもの、と言われても宇髄は誕生日でもないのにたくさんの贈り物をくれるし、ひなたは元々物を欲しがる性格でもなかった。
「天元様といられれば、それで十分です。」
そんなことを言われて、今度は宇髄が目を丸くする。
「あっ、でも、、、」
何か欲しい物でも思いついたのか、ひなたが口を開いたが、すぐ閉じた。
「なんだ?言ってみろ。」
「あの、その、あのですね、、、」
ひなたは言いづらいのか、目を泳がせながら、もじもじしている。
「天元様。天元様を私にください。」
真っ赤な顔で、半ば叫ぶようにひなたが言った。