第8章 でぇとのその後
「あの、天元様、、、」
ひなたは宇髄の膝の上に横抱きで座らされている。
いつかの夜のようだ。
だが今は恋人同士になったのだ。宇髄は鼻歌でも歌いそうに機嫌がいい。
「悪い、我慢できない。」
何を、と聞こうとした口を何かに塞がれる。
口付けをされたと気づいたのは、唇が離れた後だ。
離れた後で、ひなたは両手で自分の唇を覆った。
「そんな可愛いことしても逆効果。
って言うか、隠すなよ。もっと、、、」
宇髄はひなたの手を押さえると、再び口付ける。
ちゅっちゅっ、と何度も何度も、角度を変えながら。
ひなたは目も口もぎゅっと力を入れていた。
しかし、息が苦しくなる。宇髄の唇が少し離れた瞬間に息を吸おうと唇を薄く開ける。
宇髄の舌がそれを見逃さずに侵入してくる。
「ん〜、ん〜」
抗議の声を上げたくても出せない。ひなたの手を押さえていた宇髄の手は今はひなたの後頭部に回っている。
背中と後頭部に手が回り、ひなたは動くことも出来ない。
逃がさない、とでも言うように、宇髄の舌はひなたの舌を追いかける。