第7章 初めてのでぇと(後編)
宇髄はひなたを抱きしめた。
「天元様っ?!」
驚いたひなたは宇髄を押し返そうとするが、まぁ無理である。
「このまま聞いてくれ。」
宇髄の声に、ひなたは大人しくなる。
「悪かった。お前も悩んでたんだな。
はっきり言う。継子にはしない。」
宇髄の言葉にひなたは肩を落とす。予想はしていたが、本人からはっきり言われると中々辛いものだ。
「だが、出て行かれても困る。」
ひなたは訳がわからない。継子にはしないが、これからも身の回りの世話をして欲しいということだろうか。
「、、、お前、今、俺が身の回りの世話をして欲しいと思ってる、って考えてるな。」
「、、、違うんですか?」
「あぁ、違う。俺はお前が好きなんだ。」
目線を低くしひなたに合わせてから、宇髄ははっきりとそう言った。
「、、、すき?」
ひなたは意味がわからないとばかりに、言葉を繰り返す。
「多分初めて会った時からな。一目惚れってやつだ。
だから追い出さなかったし、継子にもしなかった。継子にしたら、そこから関係が発展しないと思ったからな。」
そこまで聞いてひなたはやっと首まで真っ赤にした。
宇髄は再びひなたを抱きしめる。
「これからは恋人として、俺のところにいてくれないか?」
しばらくの間の後、ひなたは、手を宇髄の背中に回した。
「あの、こういう時、どう言ったらいいかよくわからないのですが。
、、、こらからもお側に居させてください。」
その言葉に、宇髄は抱きしめる手に力を込めた。