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魅せられて【鬼滅の刃/宇髄天元】

第4章 宇髄くんがんばる


「、、、申し訳ありません、音柱様。
 お見苦しいところをお見せしました。」
しばらく泣いて、やっと落ち着いたのか、ひなたはゆっくりと顔を上げた。
ひなたは宇髄の膝の上に横抱きで座っていた。
泣いてるひなたを宇髄が抱きしめたやすいように体勢を変えさせたのだ。
ひなたは気づいてないようだが。
「何があった?」
宇髄はなるべく静かに、ゆっくりと話しかける。
ひなたは顔を伏せる。
口を開き、でも怯えるように口を閉じる。
何度そうしたか。彼女は意を決して話し始めた。

10年程前、家族で就寝中に鬼に襲われたこと。
目の前で両親が殺されたこと。
自分はたまたま助かったが、その後こうして両親が殺される悪夢を繰り返し見るようになったこと。
ひなたは、ぽつぽつと話した。
「自分が強くなって、鬼を倒せるようになっても、どうしても悪夢は去ってくれません。私はまだまだ弱いのです。」
ひなたは悲しそうに微笑んだ。
宇髄は、抱き締める手に力を込めた。
「頑張ったんだな、ひなたは。」
宇髄はひなたの頭をゆっくり撫でる。
「頑張った、、、?」
「あぁ、頑張った。鬼殺隊に入るのだって簡単じゃない。最終選抜を突破しないといけないからな。
 そして、今までの任務だって大きな怪我もなく帰ってきてる。それは間違いなく、お前の努力の賜物だ。
ひなたは頑張ったんだな。」
その宇髄の言葉にひなたは再び涙を流す。
認めて欲しかった。褒めて欲しかった。
それは子供が両親にそうしてもらうように。
「ありがとうございます、、、」
宇髄はひなたが泣き疲れて眠るまで、そうして頭を撫でていた。
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