第3章 酒の席で
(そうか、俺はひなたが好きなのか。)
宇髄は、思った。
「煉獄、おれ、、、」
「どうした?宇髄」
「俺、あいつが好きなんだな。」
宇髄は、ゆっくりと噛み締めるように言った。
なんだかんだ理由をつけてこの家を追い出さず、
継子にしてない少女をそばに置いている。
それが全てだった。
「少し話しただけだがいい子じゃないか。
彼女も宇髄がいいと言っているし。
両思いじゃないか。」
「両思い、、、?」
彼女が、宇髄一筋だと言ったのは宇髄の継子になりたいから。
その理由も彼の剣技に一目惚れしたから、とはっきり言われている。
別に彼自身が好きなわけではないのだ。
今までの生活態度を考えても、宇髄が家で鍛錬をしている間キラキラとした瞳で見ていることはあっても、その他の場面ではそのようなことはなく、正直、両思いとは考えにくい。
宇髄はそれを正直に煉獄に伝えた。
「ずいぶんと弱気だな。」
煉獄は、ははは、と快活に笑った。
「まぁ、何も期限が決まってることでもあるまい。
そう思うのであれば、ゆっくり距離を縮めればいいことだ。」
煉獄は、宇髄の肩をバンと叩いた。
その痛さに宇髄は眉を顰めた。