第1章 花を摘む?花を育てる?
でもシルビアさんは優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
「うふふ、謝らなくていいわよ。
それも、ひとつの答えなんだから。
でもね、分かって欲しいのは。
あなたが花だとしたらアタシはあなたという花を育て守りたいと思っているわ。」
「え?」
シルビアさんはゆっくりと歩き出した。
「さっき言ったことはね。いい男は見ていたいのよ。もちろんお話できるのであれば嬉しいけど、でもそれだけ。
あなたのことは、この命に変えても守って最期の時まで寄り添いたいってことよ。」
シルビアさんの笑顔が眩しく感じた。
でも眩しいだけでなく、優しいとも感じた。
その言葉を聞けただけでも私は嬉しくて、自然と涙が溢れた。
シルビアさんは親指で私の涙を拭い優しく抱きしめた。
もうすぐ日が暮れてみんなとの待ち合わせの時間になる。
「さ、行きましょ!みんな待ってるわよ。」
私はうなづいて、シルビアさんの手を取った。
シルビアさんは何も言わず手を握り返してくれた。