第2章 プロローグ
「ウルラ!もういいぞ、リザも連れてこい!」
「おや、もうお話は良いので?」
「うわぁぁ、ユリウスーー!!」
「話はもう済んだ、お前たちも聞いていただろう」
『えっ、うわわ!?』
魔王、様、が声をあげると上からリザさんを抱えたウルラさんがふわりと降りてきた。リザさんは床に降りた途端僕を抱き締めた
「ユリウス聞いてくれよ!ウルラってば俺をコキ使ったんだ!」
「おや、心外ですね。少しばかりお手伝いをお願いしただけなのですが?」
『えっと、お疲れ様リザさん…』
「ありがとうユリウス~~!!!」
リザさんがぎゅーっとさっきよりも強く抱き締めてくる、ウルラさんに叱られたのを反省したのか苦しくない
「……リザ、一旦ユリウスから離れろ」
「えぇ…何で」
「何でもだ、ユリウスとの話がまとまった」
その一言でリザさんの耳がピンッとたち、嬉しそうに目を輝かせ魔王様の元に駆け寄った
「へへ、はぁい」
「こらリザ、頬がだらしないですよ。引き締めなさい」
「無理だよぉ、へへ」
「んんっ、良いか」
魔王様のその一言でウルラさんとリザさんはスッと真顔になる。そのおかげで僕も背筋がピンと伸びた
「勇者の一族であるユリウス・アーガノイストを我らが魔王城に新たな仲間として歓迎しよう。俺の名はクロムリヴウェル・ヴァーガンス、魔王クロムだ。覚えておけ」
『へっ!?く、クロムり、う、ぶ…う、うぇる…?』
「はは、良いだろう。これからはクロムと呼ぶが良い、あの晩にもう呼ばれたがな」
『し、仕方ないだろう!魔王クロム、これが通り名なんだから!!』
「別にいい、だが覚えておくように。俺の信頼おける側近も紹介しよう」
魔王様がそう言うと、後ろに控えていたウルラさんとリザさんが数歩前に出て僕の方に視線を寄越した
「改めまして、魔王城書庫の司書兼尚書官をしております。エリュダイトアウルのウルラです。尚書官とは簡単に申し上げますと魔王様の命令等を書類化し保管するものです」
『エリュダイトアウルって、あの賢くてきれいなフクロウのモンスターですか?』
「はい、フクロウ…でしょうか。人間の皆さまと大きさはそう変わらないのでフクロウもどきといったほうが良いでしょうかね」