第8章 指名
「お前ら何をだらけてる」
「こんだけ暑けりゃダラけたくもなるでしょ」
悟が机に肘をつきながら答えると「まぁ良い、今から話す任務は、悟と傑のお前たち二人に行ってもらう」と低い声を出した。
それに対し、悟と傑の二人は嫌そうに溜息を吐き出す。
それもそのはず。先日行った歌姫先輩と冥冥先輩の救出任務の一件で二人はさっきまで喧嘩をしていたからだ。まぁ隣で聞いてた限りでは、あきらかに悟の態度が傑を苛立たせて喧嘩に発展したって感じだったけど…
「何だその面は」
「「いや、別に」」
そんな二人の態度に気が付いた夜蛾先生が、呆れたように二人を交差に見た後、私を見下ろした。
「どうせまた喧嘩でもしていたんだろう。ならリンも付いていけ」
「え?でも悟と傑二人の任務なんじゃ…?」
「コイツらに喧嘩されたら後処理が面倒だからな。お前が見張っていろ」
えぇー、そんなパターンあるんですか。
「ちなみに硝子は別件の任務だ」
しかも硝子はいないのね…