第7章 嫉妬
「うん、我慢しなくて良いよ」
私の言葉に、やっぱり七海君は「はぁ」と大きな溜息を吐き出すと「もう余裕ないから、これ以上煽らないで」と、私に深い深い口付けを落とした。
おでこ、頬、首筋、鎖骨へと優しくキスが降りてくる。
チュッと音を立て唇を落とされた鎖骨には、紅く染まった華が広がる。
私はそれに必死に着いて行くようにして七海君の首へとしがみついていると、そっとその腕を解くように誘導された。
私の上へと覆いかぶさっていた七海君は、上半身を起こすと。着ていた学ランとシャツを脱ぎ捨てる。
何も身に纏わず顕になった彼の上半身は、まるで彫刻のように綺麗で、鍛え上げられた完璧な身体をしている。
男性の上半身なんて海やプールでも何度も見た事があるし。
普段暑いとか言って、体術訓練後上半身裸でウロウロしている悟や傑を時々見て慣れているはずなのに…しかもその時はもちろん特に何とも思わなかった。
なのに、それとは違い七海君がシャツを脱いだだけてドキドキと心臓がうるさくなり始める。
好きな人の裸を見るってこんなに緊張するんだ。
こんなに心臓がドキドキ音を上げるんだ。
どうしよう…緊張してどうにかなっちゃいそう……