第7章 嫉妬
出かけてたのは二人じゃないと。硝子と傑もいたのだと伝えたいのに…与えられる口内の刺激のせいで上手く頭が回らない。
七海君の柔らかくて温かい唇が、何度も何度も私の唇を食べてしまうんじゃないかというくらい激しく口を塞ぐ。
「っん…ふ…ンぁ…」
私を見下ろすその切長な瞳が。
耳にかけられた綺麗な色の髪が。
「…ッリンさん」
優しく私の名前を呼ぶその声が。
私の全てを刺激するみたいに、熱く熱く身体中を支配した。
「…こんなくだらない嫉妬してる自分が、情け無くて笑える」
ハァハァと息を切らす私に、そっと唇を離した七海君が小さな声を出す。
「…そんなことないよ!私の考えがいたらなくて…ごめんね」
「リンさんは少し抜けてるところがあるから。心配なんだよ」
私の上に覆いかぶさったままの七海君を下から見上げると、ハラリと落ちてきた横髪を耳にかけてあげる。
「あのね、今日出かけたのは悟と二人じゃないの。硝子と傑もいたよ。二人とは途中のコンビニで別れたから二人で帰って来ただけなんだ」
七海君の様子を伺うようにしてそう告げれば「そっか…何だ良かった。二人で遊んでたのかと思ったら気が気じゃなかった」眉を歪ませ大きな溜息を吐き出し、私の頬へとそっと触れた。