第1章 一目惚れ
「リン、良かったな」
「え?何が?」
私の前の席に座っていた悟がくるりとこちらへと向き直し、スッとサングラスをずらして私に視線を合わせる。
「七海と遊園地デート出来るじゃーん」
「ちょっ!何言ってんの⁉︎てゆうか声大きいからッ」
慌てて悟の口を塞ぎ、周りをキョロキョロと見渡すと、七海君は傑と灰原君と教室から出る所だったらしく、どうやら聞こえてないみたいだ。
「ねぇ悟、本当にやめてよ!そういうの…」
「え〜、だーって一目惚れなんだろ?お前分かりやすいからバレバレだって」
綺麗な色の瞳を細めながらクスクスと笑うこの五条悟という男は、見た目は自他共に認める顔の良さ。脚も長くスタイルもよくて外見は世界一級品だというのに、性格が少々問題ありなのだ。
「硝子、もう行こう!」
硝子の手を取り歩き出して悟を無視すると、今度は硝子が面白そうに私の顔を覗き込んで来る。
「で?本当のところどうなの?」
「もう!硝子まで!」
「だってリンが男に見惚れるなんて初めてじゃん?」
まぁ…確かに。それはそうなんだけど。
「おいおい、聞き捨てならねェなぁ。リンが初めて見惚れたのは俺だろ?俺ほど顔の良い男どこ探してもそうそう居ねェし」
こういう所だよね。悟の…なんていうか性格が問題なところは。
「ねぇ、カッコいいとか思ったの?七海のこと」
「はい、無視〜」
硝子は悟に冷ややかな目を向けると、またそれを無視して話を続ける。