第1章 一目惚れ
夜蛾先生から任務の詳細が伝えられる。
今日の行き先は新しく出来たばかりの都内の遊園地。まだ出来たばかりだと言うのにゲガ人が続出しているらしく、呪いの影響では無いかとの事。
敷地内が広く急ぎ案件だった事もあり、呪いの個体数や正確な階級は分かっていない。しかし怪我人の症状などを見る限り、二級以上の可能性は低く、低級がわんさかいるのでは無いかとの情報だ。
「遊園地の開園が10時、それまでに全ての呪いを祓う」
夜蛾先生がそう言い終わると、悟が珍しくピシっと手を上げニヤニヤとした表情で口を開く。
「それって終わったら遊んでも良いの?」
「あ!俺も遊びたいっス!!」
悟に続いて灰原君までも目をキラキラと輝かせる。やたら真剣に手を挙げると思ったら…遊びの事なのね…まぁなんとも悟らしい。
夜蛾先生はそんな彼等にやれやれと言いたげにため息を吐くと、「あぁ、許可しよう」と言って教室を早々と出て行ってしまった。
「いえーい!七海!遊園地だってよ!最高だな今日は!!」
「無事任務が終わったらの話しです。今から浮かれるのはやめて下さい」
「何だよ七海は楽しみじゃないのかよー」
「えぇ、別に。もう子供では無いので」
「まぁ確かに、遊園地ではしゃぐ七海とか想像も付かないけど!」
灰原君と七海君は、性格が真逆って感じなのにとても仲の良さが伝わって、なんだかほっこりとした気持ちになる。