第7章 嫉妬
「それにしても、今日は久々に四人で遊べて楽しかったなぁ」
皆んなでご飯を食べて買い物をして、カラオケに行ってクレープも食べて。何だか久々に高校生らしい事をした気がする。それこそ最近本当に忙しかったから、こんなゆっくり休日を堪能出来たのは久しぶりだ。
「やっぱり時々はこうやってまた四人で出かけたいな!忙しくても時間作ってさ」
「そーだな」
「悟も今日楽しかった?」
「おー」
「本当に思ってるー?」
「思ってるっつーの」
悟の顔を見上げるけれど、日が陰ってきた中サングラスをしているせいかその表情は見えにくくて、彼のサングラスに手をかけそれをヒョッイと外す。
「おい、取んなよ!」
悟から高級そうなサングラスを奪うと、それを自分の目元へとかけた。
「うわー真っ黒だね。薄暗いと見えにくい!やっぱ悟の眼って凄いんだね」
サングラスをかけたままキョロキョロと辺りを見渡すけれど、レンズの色がかなり濃い悟のサングラスは薄暗い中で付けると本当に真っ暗に見える。
「まぁな。俺最強だし」
サングラスをかけはしゃぐ私を何故か写メる悟は、当たり前のようにそう言ってみせる。まぁ確かに。しかも最強って自分で言ってても嫌味っぽく聞こえないから羨ましい。
私はかけていたサングラスを少し下にずらして悟を見つめると、今度は暗闇の中でも分かるくらいハッキリと悟の綺麗な瞳が目に入った。
「でもさ、悟の瞳って凄く澄んだ海を閉じ込めたみたいでとっても綺麗な色なのに、ずっと隠してるのが勿体無いよね。疲れた時悟の瞳見ると綺麗で癒されるもん」
そんな私の言葉に悟は一瞬動きを止めた後、目を細めフッと小さく笑った。
「そんな事言うのお前だけだわ」
「え?そお?皆んな思ってると思うよ」