第7章 嫉妬
「私と夏油コンビニ寄ってくから。先帰ってて」
高専から一番近いコンビニの前で二人とは別れ、悟と先に高専内へと戻る。
「結局何買ったんだよ?」
「えっとね、小型のマッサージ機」
「小型のマッサージ機?何だよそれ。敬老の日かよ」
悟は片側の口角を上げ小さく笑うと、私が持っていた紙袋を持ってくれる。
「だって夜蛾先生って呪骸作るでしょ。針仕事するし肩凝るかなと思って」
「あのバキバキの身体にマッサージ機が負けなきゃ良いけどな」
確かに…。夜蛾先生はどこからどう見ても体格が良い。完全にムキムキのマッチョさんだ。小型マッサージ機で効くんだろうか。悟が言うようにマッサージ機が負ける可能性もある。
「そこまで考えて無かった!それじゃあついでに手作りのマッサージ券も付けとこうかな」
「誰がマッサージすんだよ」
「それはもちろん悟か傑でしょ。私と硝子じゃそれこそ腕折れちゃうもん」
「うわ、ぜってーやりたくねェ」
本気で嫌そうな顔をする悟だけど、いざ本当にやる事になったら文句を言いながらもやってくれるんだと思う。悟って実はそういうところが優しいし、夜蛾先生の事も何だかんだで気に入っているんだと思うから。