第1章 一目惚れ
「それにしても、夜蛾先生は遅いね」
傑が壁にかけてある時計を見ながらそう呟くと、皆一斉に教室の入り口を見る。
そう。今日はこのメンバーで任務があると、早朝の5時から集合をかけられているのだ。それなのに呼び出した本人の夜蛾先生はまだ来る気配が無い。外はまだ薄暗い。こんな早朝から集められるのは珍しい。
「先ほど見かけましたので、すぐに来るかと」
落ち着いたトーンで言った七海君に対して「はぁー、こんな朝からやる気出ねェつの。七海早く呼んで来てー」悟が机の上に座りながら七海君へとそんな事を言う。
「嫌です、五条さんが自分で行ってはいかがですか」
悟の言葉にそうハッキリと答える七海君。どうやら悟と一年生達はもう仲が良いらしい。私は他の皆んなよりも一年生との交流が少し遅れているから、早く私も仲良くなれるといいな。
そんな事を考えていると、ガラッと勢いよく教室のドアが開き、外からは猫と犬の呪骸を持った夜蛾先生が入って来た。
「先生遅せェよ」
「悟、机から降りろ」
悟は「へいへい」と言いながらも、言われた通り机から降りると私の前の席へと腰をかける。