第6章 偽の彼女
「リンは見かけによらず、意外と身体で感じで動くタイプだからね。そういった部分は悟と良い勝負だよ」
楽しそうに傑に言われ、確かにと納得してしまう。頭で考えるより行動で示してしまうタイプかもしれない。でもだからって…悟とそういう部分で良い勝負だなんて…何とも言えない気分だ。
「私はちゃんと帳は下ろすし、建物のガラスを全部割ったり、高層ビルを爆発させたりはしないよ!ちょーっとぶつかっちゃったりするくらいでさ!悟の怪獣大戦争レベルと一緒にしないでほしぃ」
「怪獣大戦争って、例え面白すぎ」
「硝子もそう思うでしょ?」
「まぁ、五条の破壊は遠慮がないからな」
「そうそう!つまり、やっぱり夜蛾先生に一番お世話になってるのは悟ってこと」
「じゃあ五条が何買うか考えたら良いんじゃない?」
「は?ふざけんな。ダルすぎ。傑が考えろ」
「私はそういったセンスは無いんだけどね」
「センスとか関係ねェだろ、んなもん適当で良いんだよ。適当で。つーかそれよりも腹減ったわ、何か食おうぜ」
「私もお腹が空いてきた。今日は早朝任務でろくに朝食も取れなかったからね」
悟が今までの話を打ち切るようにして言葉を吐き出す。
確かにもうそろそろ12時半か。私と硝子は今日任務は休みだったけど、悟と傑は朝から任務に出掛けていた。
育ち盛りの男子高校生が仕事後にお腹が減らないわけがない。ここは買い物は後回しにして先にご飯の方が良いかな。