第1章 一目惚れ
「???」
一体何故いきなり悟が焦っているのか、私には分からなくて。首を傾げて彼を見つめていると
「へぇ〜、五条あんたリンの所行ってたんだ!私達何にも聞いてないんだけど〜」
家入硝子がニタニタと笑いながら私の肩へと腕を回してくる。
「え?そうなの?丁度手が空いてたから派遣されたって。悟4回は来てくれてたよ」
「ヘェ〜、なるほどね〜丁度手が空いてたんだ!私達は私達でくっそ忙しかったのに、一級呪術師の五条がねぇ。どうりでやたら二連休取りたがると思ってたら」
「クッソっ、硝子お前。一旦黙れ!」
ぷくくッと堪えるようにして笑う硝子と、やれやれと言ったように見守っている傑。一年生の灰原君は「五条さんと影千佳さんって仲良いんすね〜」なんてキラキラとした眼差しで見てきている。
「悟、自分の休みにわざわざ手伝いに来てくれてたの?」
まさか悟がそんなに同期思いだったなんで、そんな事想像もしてなかったから、何だかとっても感動してしまった。
思いのままその感動を「ありがとう!」と言って満面の笑みで伝えると「あ〜はいはい」なんて綺麗な白髪の頭をかきながらそんな素っ気ない返事が返ってきて、だけれどサングラス越しのその表情は、どこか少し照れているようにも見える。