第34章 抱きしめてそばにいて
「あと一つ、子供についてだが」そう話を切り出した硝子の言葉に、私と悟は真剣な表情で耳を傾ける。
「お前たちの子供は、双子だ」
「「…………」」
え……?
「大変だと思うが、二人でちゃんと協力して頑張れよ。特に五条、リンに負担をかけさせるな」
スラスラと話を進めていく硝子。だけど私と悟はそんな硝子の言葉に返事をするどころか、大きく目を見開き唖然と硝子の言葉を聞いていた。
え、だって…え?双子!?
まさか予想もしていなかった言葉に驚きを隠せるはずもなく、唖然とした表情のまま隣の悟を見上げれば、それは彼も同じだったのか綺麗な碧色の瞳をこれでもかというほど大きく見開き心底驚いたように目の前を見つめていた。
だけど、彼を見つめる私に気がついたのか…悟はゆっくりとこちらに振り向くとその驚いた表情を少しずつ瞳を細めるよつにして笑顔を見せた。
「やったぁ!!双子だって!一人だって絶対可愛くて天使間違いなしなのに、それが2人だよ!!天使が2人!あ、リン合わせて3人だ!天使が3人!!そんなの最高以外のなにものでもないでしょ!!」
「うん!双子絶対可愛いよ!!私は別に天使じゃないけど…天使が同時に2人!!どうしよぉ、嬉しくて泣きそうだよぉ」
「僕なんて幸せすぎてもう泣いてるから!涙止まんないから!!うぅ〜幸せとはまさにこの事だよね」
ほろほろと涙を流す悟につられて、私の瞳からも涙が溢れ出してくる。
「ふふふっ」と2人で微笑みながら涙でぐちゃぐちゃになった互いの顔を見合わせおでこをくっつける様にして抱きしめ合えば、きっと今2人とも同じで幸せそうな顔をしているんだろうという事が鏡を見なくても分かった。