第5章 教室
「まだ怒ってんの?」
まさかそんな事を聞かれるとは思っていなくて。てっきり昨日の事はスルーな感じでいくんだとばかり思っていた私は思わず驚いてしまった。
「別にもう怒ってない」
「いや怒ってんだろ」
「朝から機嫌悪かったのは悟の方でしょ」
「別に悪くねェし」
「というか、他の女の子にはああ言う事しない方が良いと思うよ。私じゃ無かったら勘違いされてたよ」
ペットボトルへと口を付けながら横目で悟を見ながらそういうと、悟は「はぁ」と小さくため息を吐き出した。
「お前本当何も分かってねェ。しかも俺どんだけ軽い奴だと思われてんの。マジで」
「だっていつも傑と女の子の話ばっかりしてる」
「は?してねーだろ」
「してるよ!それに硝子が悟はスーパークズ男だって言ってたし、傑は最低男だって言ってた」
「アイツらコロス…」
「だからそう思われても仕方ないじゃん」
「………」
「というわけで悟、一応謝ってよ」
目の前で白髪の頭をガシガシとかきながら機嫌が悪そうに「傑に硝子…覚えてろよ」なんて呟く悟にそう言うと、悟は六眼を細め私をジロリと見下ろした。