第34章 抱きしめてそばにいて
「そうだ!硝子!硝子に連絡して身体診てもらわないと!!」
慌てて身体を離した僕は、急いでポケットに入れていたスマホを手に取り操作を始める。
だけどそんな僕を見ていたリンは僕の手を静止すると、窓の外を指差した。
「まだ朝の5時だよ、外も暗いし硝子だって寝てる」
「そうだけど、リンが起きたって言えばアイツも飛んでくるよ」
「硝子だって疲れてるんだから出勤時間まで待とう。それに悟も…」
リンはそう言って見上げると、右手の親指で僕の目の下を優しく擦った。
「クマ、出来てる。だから硝子が来るまでもう少し一緒に寝よう」
「…うん」
ベッドへと横になる彼女に釣られる様にして隣へ寝転べば、リンは僕の胸に顔を埋め背中へと腕を回す。
「赤ちゃんは…大丈夫なんだよね?」
「うん、元気にすくすく育ってるって。さすが最強の僕の子だよね」
「本当、あんな大怪我したのにさすが悟の赤ちゃんだよ。悟の遺伝子がこの子を守ってくれたのかもね」
「まぁでもリンの図太さも混じってるから、余計に強い遺伝子になったと思うよ」
「えー、私って図太いの?」
「図太いよ、おまけに正義感が強くてで無茶ばかりする」
「それは…そうかもしれない…ごめんなさい…」
「ははっ、攻めてるわけじゃないよ。そんなところも含めて僕はリンが大好きだってこと」
「私も悟のひねくれた性格含めて大好きだよ」
「…それ、また話し変わって来ない?てゆうか僕ってひねくれてる?」
「ひねくれてるよ、すっごく」