第34章 抱きしめてそばにいて
うつむき目を瞑ろうとしていた僕の元に、一筋の光が差し込んだ。
もう一度目の前のスクリーンへ目をやれば、そこに映し出されているのは、満面の笑みで微笑み合う僕とリンの姿。
僕が大好きで大好きで、愛してやまない…リンの姿。
そうだ、このクソみたいな世界の中で、君だけが僕の光なんだ。僕を照らす優しい光。
その笑顔を見るだけで、僕は何だって出来るほどに君が大切で愛しい。
僕はこの世界にいたから君に出会えた
このクソみたいな世界の中でただ一人輝く君を見つけた
こんな所で休んでいられない。
だって僕はクソみたいなこの呪術界を変えなければいけないのだから。
僕と君が生きるこの呪われた世界を。
僕は少しでも変えると誓ったのだから。
何か温かい感覚が、まるで僕を目覚めさせるかのようにして包み込んでいく。
それは優しくて温かくて、そしてとても大好きな感覚。
僕はそんな温かさに手を引かれるようにして、まだ少しだけ重たい瞼をそのままゆっくりと瞳を開いた……