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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第32章 時が来た




……………東京 新宿




一人面倒くさそうな奴がいるな。




「五条さん!!報告が…どうされました?」



「いや」



周りを見渡すがそこに傑の姿はない、それどころか少しの呪力も感じられない。




あの目立ちたがりが前線に出てこない?京都の方か?なら何かしら連絡があるはずだろ。



リンとの配置もかなり離れてしまった。あまり僕から遠くへ離れて欲しくは無かったんだけどね…一級術師ともなるとそうも言ってられないか。




「何でもない、どうした」



「こんな時にとは思いますが早い方が良いかと、以前調査を依頼された乙骨の件です…」



僕は伊地知の話を聞くとすぐさま後ろへと振り返る。



「パンダ!棘!!」



「どうし…」




そんな僕の大声に珍しそうな顔をするパンダと棘を掴み引きずるようにして早足で歩くと、道路へとしゃがみ込んだ。




「質問禁止!今から二人を呪術高専に送る」



「はぁ!?」



「夏油は今高専にいる。絶対、多分、間違いない!」



「どっちだよ!!!」



「勘が当たれば最悪憂太と真希二人死ぬ!!僕もあの異人を片付けたらすぐ行く!二人を守れ、悪いが死守だ!!」




僕は両指を絡めそのまま勢いよく手を重ねると




「おう!!」



「しゃけ!!」






バシュッ!!!





パンダと棘を送り、円形状にへこむ道路を見つめ目隠しの包帯へと手をかける。




「アナタの相手ハ俺ダヨ、特級」







「悪いけど、今忙しいんだ」






僕はそのまま包帯から片目を出すと、碧色の瞳を大きく見開いた。



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