第31章 大切な日
料理やケーキを取り分け、それを悟の目の前に置けば、悟は嬉しそうに何枚も写真やらムービーを撮っていて。
「うん!美味しい!すっごく美味しい!」
「ありがとう、嬉しいなぁ」
大量にあった料理も全部ペロリと平らげてくれた。
その後は二人でお風呂に入り、少し仕事が残っていると言っていた悟が膝を組みソファーに腰掛けながらタブレットで資料を見ているのを横目に、隣でテレビを観ながら待っていると。
いつの間にかうとうとしていたのか「もう少しで終わるからね」と優しく声をかけて頬にキスをしてくれた悟の声に、ハッとしてボンヤリとしていた目を覚ます。
ヤバイ!私にはもう一つの重大な任務が待っていたんだった。
「悟、私先に寝室で待ってるね」
慌ててソファーから立ち上がると「分かった、僕もすぐに行くよ」という声を背に急いで寝室へと向かった。
そして勢い良く寝室に入ると、自分のクローゼットをバッと開ける。
そして引き出しの奥の方にしまっていたパステルカラーのピンク色の袋を取り出すと、そっと中身を取り出した。
私が手にしているのは黒レースの上下セットアップになった下着だ。
しかもやたらと面積が少ないやつ…
そう、これが私から最後の悟への誕生日プレゼントだ。
パンダ君の意見を少し…取り入れたわけではないけれど…まぁ少しだけ参考にさせてもらったのは否めないけれど…男の人ってこういうの喜ぶって言うし…人生最大の恥を晒すつもりで挑む旦那様へのプレゼントだ。