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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第28章 誘拐




それは、一瞬の出来事だった。


項垂れる彼女の背後に、今まで感じていなかった呪霊の気配を感じ刀を握り締めたが…腕の傷が思ったよりも深く腕が痺れるような感覚に刀が手からカランっと音を立てて滑り落ちる。



その瞬間、私の身体は瞬時に動き彼女の腕を強く掴むと…呪霊に自分の背を向けるようにして彼女を頭から包み込むようにして抱き寄せた。



一級術師が聞いて呆れるな…自分の刀を落とすなんてさ…



ほんの数秒の間にも、そんな事を考えながら強くギュッと目を瞑ると…




ドガアァッン!!




後ろの方から爆発音がしたかと思うと、その瞬間には安心した気持ちで私の手の力が抜けていく。この呪力は…



私の腕の中には、一体何が起きているのか混乱した様子の女性。呪霊は一瞬にしてチリになり消える。




そして私はそのまま強くつぶっていた瞳を開くと、ゆっくりと視線を前へと向けた。



そう、そこに居たのは悟。




着物姿にサングラスをした悟が手をかざし立っていた。





悟はそんな私を真っ直ぐに見つめると、目の前で足を止めた。その表情はまるで怒りを抑えているようなそんな表情で…




そのまま彼女を抱きしめて居た私を引き離すと、私を軽々と抱える。




そして私を抱えた悟は、無言のまま歩き出した。だけどもちろんそんな悟をあの女性がすんなりと帰すわけもなく…




「悟様!!お待ち下さい!!」




震えるような大きな声が帳内に響き渡る。




それに対し悟は無視をするものだとてっきり思っていたが、足を止めるとゆっくりと女性を振り返った。




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