第26章 恋人紹介
「おーい!皆〜ちゅうもーく!!というか集合〜」
男の子とパンダ君の数段上の階段で動きを止めた悟は、口元に手を当てそう少し大きな声を出すとそんな私達に気が付いた生徒達がこちらへと振り返る。
「グットルッキングガイ五条悟先生の登場だよ〜」
悟っていつも生徒の前でもこんな感じなの…?先生ってこれで合ってるの…?…てゆうかこれで良いの…?
そんな悟を呆れたように見上げれば、目の前にいたパンダ君が「あれ?何でリンがいるんだ?」と不思議そうに首を傾げる、その隣では「ツナマヨ?」と同じようにして首を傾げている可愛らしい男の子。
パンダ君とは海外から帰ってきてから夜蛾先生の紹介で知り合って、今では可愛い後輩でありそして友達だ。
だけど他の生徒達に会うのは初めてで、少し緊張する。
悟とはお互い仕事の話しをすることはほとんどない。だから学校や生徒達の話もほとんど聞いたことがなくて…正直言って何にも知らないに等しい。あくまで私が個人的に呪術師として知っている知識のみだ。
「えー、今日はなんと特別講師をお呼びしました!!はい、拍手〜」
私達の方へ集まって来た生徒4人がこちらを不思議そうに見上げている。いや…悟の紹介の仕方のせいで変な空気になっている…
「特別講師ってリンのことか?」
そんな空気を破るようにしてパンダ君がそう聞けば、悟は口角を上げにぱっと笑った。
「えー、こちらは僕の同期で一級術師の影千佳リンちゃんでーす!今日は呪具の扱い方を教えてくれるよ♪そしてなんとッここからが重要!!皆よーく聞いてね!なんとリンちゃんは!僕が大大大好きで愛してやまない僕の大切な恋人でーすッ!!!!!!」
悟はそのまま隣に立っていた私の肩をぎゅっと抱き寄せると、ニコニコと満面の笑みで生徒達へ笑顔を向けた。