第25章 呪いの子
帳にこびり付くようにして呪霊の体液がビチャビチャと飛び散る。
その中からは、きっと耳を押さえたくなるほどの大きな破壊音が響いているだろう。
そして…
「凄まじいねぇ、これが特級過呪怨霊折本里香の全容か」
僕はニヤリと口角を上げ、そう言葉を吐き出すと、車に寄りかかっていた身体を静かに起こした。
帳が上がり、目の前には真希と子供を背負った憂太が倒れ込んでいる。
「おかえり、頑張ったね」
幸い折本里香は自ら引っ込んだか。
まぁ何があれば僕が止めればいいだけの事だが。
倒れ込む彼らの前へとしゃがみ込む。
全員怪我は大した事なさそうだ。
僕はポケットからスマホを取り出すと、それをそのまま耳へと当てた。