第25章 呪いの子
「ここは?」
「ただの小学校だよ、ただの児童が失踪する小学校」
一年生が4人になり、転校初日にもかかわらず午後の実習で小学校を訪れる。
憂太の実力を…というよりは折本里香の実力を…か、僕も見ておかないといけない。
「失踪!?」
憂太が焦ったように、そんな大きな声を出す。
「場所が場所だからね、恐らく自然発生した呪いによるものだろう」
僕はそれに当然かのようにそう答えると、ゆっくりと門の中へと脚を踏み入れた。
「子供が呪いに拐われたってことですか?」
「そ、今んとこ2人」
「大勢の思い出になる場所にはな、呪いが吹き溜まるんだよ」
僕が説明する気がないと分かっのか、真希がそう付け足すようにして話し始めた。
「学校 病院何度も思い出されその度に負の感情の受け皿となる。それが積み重なると今回みたいに呪いが発生するんだ」
さすが僕の生徒、分かりやすくシンプルな説明だ。
「呪いを祓い子供を救出、死んでたら回収だ」
人差し指と中指2本を立てるようにして手を握る。
「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」
上空から帳が降り始め辺りが少しずつ暗くなっていく。
「…夜になってく!!」
「“帳”君達を外から見えなくし、呪いを炙り出す結界だ。内側から簡単に解けるよ。それじゃあくれぐれも…死なないように」
僕は片手を上げそれをヒラヒラと振ると、ニヤリと口角を上げ降りて行く帳の隙間から小学校の外へと出た。
さぁて、お手並み拝見といこうか。