第25章 呪いの子
ーーーー乙骨と真希が運び込まれた病院にて
「何かスッキリしない顔だね」
「…初めて、自分から里香ちゃんを呼びました」
「そっか、一歩前進だね」
「少し…思い出したんです」
椅子に座りながら、左手の薬指に付けた指輪を静かに見つめる憂太。
「里香ちゃんがボクに呪いをかけたんじゃなくて…僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません」
その言葉に、ふと浮かぶのは満面の笑みで僕に微笑むリンの姿。
「これは自論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ」
「先生は…愛する人がいるんですか」
「あぁ、いるよ。どうしようもないほどに…愛しくて愛しくてたまらない人がね」
狂おしいほどに愛している
大切な大切な
僕の恋人がね。