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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第24章 引越し



その雰囲気と呪力量はまるで今から特級呪霊でも祓いに行くつもりなのかというほどのモノで…



悟は怖いほどの笑顔で目の前の彼を見つめると、そのままゆっくりと私を見下ろした。



その瞬間、まるでヒュッと冷たい空気があたり一面を包み込むような感覚がする。



やばい、これは本当にやばい。本当の本気で怒っている…




「ねぇリン…その顔何?真っ赤にしちゃって、妬けちゃうなぁ」




碧色の瞳を細め、さらに口角を上げる悟は…私を真っ直ぐに見下ろしながら頬を親指でスルリとなぞる。




「…あの…これは…別に」




あまりの悟のオーラに、どもりながらも口を動かすと悟は唇を私の耳元へと近づけ「リンは悪い子だなぁ、僕以外にそんな顔を見せるなんて」と囁いたあと「言い訳なんて聞きたくないよ」と低く唸るような声を出した。




その瞬間、私の顎をクイッと持ち上げそのまま強く唇を塞ぐ。




その悟の行動に思わず大きく目を見開いた。




だって、ここはどう考えても人前だ。人前どころかお店の前だ。視界の端っこでは、先ほどの男性が顔を真っ赤にして驚いているのが見える。




「…ん…っ…さと…るッ」




悟の胸元を、ドンドンと叩くが、もちろんびくともしない。それどころかキスは深くなっていくばかりで、喋ろうと口を開いた瞬間悟の舌がスルリと私の口内へと侵入してくる。




くちゅくちゅと音を上げ、いやらしく私の唇を舐めとってくる悟は…周りの視線にも気にする事なく私の腰をさらに強く引き寄せる。




「んン…ッ…ふっ…」




何考えてるのっ、こんな所で!いくら怒っているからって…!!




口内に広がる熱から逃げるようにしてドンドンとさらに数回悟の身体を叩くと、やっと悟の身体が離れていき私の唇が解放された。



はぁはぁと顔を赤くしながら息を切らす私を、悟はやはり冷静に真っ直ぐに見下ろすと…そのまま私の腰を引き寄せ




「ごめんね、君の出る幕ないから」



と未だに顔を真っ赤に染めている男性に向かってニッコリ微笑んだあと、颯爽と私を連れて歩き出した。




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