第24章 引越し
15分ほどして、私服にサングラス姿で戻ってきた悟は、相変わらず任務服の時とはまるで別人だ。
「準備できたよー、行こっかぁ」
お財布とスマホをポケットにしまった悟はどうやら早速出かける気らしい。
「少し休憩してからにしたら?」
「平気だよ〜僕めっちゃ楽しみにしてたから早く行きたいなぁ」
ニコニコと笑顔を向けソファーへ座る私の前に立ち手を差し伸べる悟。その手を取るとグイッと悟が私を立たせてくれた。
「悟が平気ならじゃあ行こっか」
「うんっ、行こう。シャワー浴びる前にタクシー呼んどいたからそろそろ来ると思うし」
「ところで何処に買い物行くの?」
「無難に新宿あたりかなー」
新宿かぁ、全然行った事ないなー高専の時は大人な町ってイメージだったから渋谷とか原宿で遊ぶ事が多かったし。でも悟は何かすごい新宿似合いそうだよね。
「僕買いたい物いっぱいあるんだよね〜リンは何かある?」
「んー買いたい物ねー」
さっき引っ越しの時に、やけに服が少ないなぁとは思ったけど、でも正直任務任務ばっかりで私服を着ることなんて滅多にないんだよなぁ。だけど悟とお付き合いするようになったわけだし、デート服の1着や2着買った方が良いのかな…いやいやでもそれなら一緒に住むわけだし可愛い部屋着を買った方が良い…?
そんな事をもんもんと考えていると「僕そこそこの会社の社長よりは稼いでる自信あるから、欲しい物あったら何でも買ってあげるよー」なんて笑顔で言ってくる。
まぁ確かにこんな高級マンションを隣同士で買っちゃうくらいだから、本当にそこら辺の会社の社長より全然お金持ちなんだろうなぁーなんて思う。