第23章 待ちきれなくて
初めは優しく、ついばむようなキスを数回。
そのあと少しだけ開かれていた悟の唇を舌でなぞるようにして舐めとれば、ゆっくりと開かれた口内へと侵入していく。
くちゅっと少し遠慮気味に悟の舌を絡めとれば、悟も同じテンポで舌を絡めてきてくれる。
それに安心しながらも、ゆっくりゆっくりと水音を立てるようにして唇を押し付け角度を変えた。
「……っ…」
この後は…どうしたらいいんだっけ…濃厚なキスって…?悟はいつもどうしてた…?
いつもエッチはもちろんキスする時でさえ、私は悟の動きについていくのに必死で、いつも頭はぽーっとしてるし、訳がわからなくなるほど気持ち良くなってしまっているから、いざ自分がやるとなると全然どうしたらいいのか分からない。
そして、エッチで濃厚なキスからは程遠いいキスをしていた私に悟は「焦らしプレイ?興奮するなぁ」と楽しそうにニヤリと口角を上げ笑いながらうっすらと瞳を開けると…
「でも…可愛いけどちょっと物足りないかもっ」と甘く妖艶に囁き、そのまままるで噛み付くようにして私の唇を塞いだ。
「……っん…ふァッ」
先ほどまで自分にあった主導権がいきなり悟へと変わる。
悟は私の顎へ手を添えクイッともちあげると、うっすらとしか開かれていなかった私と自分の唇を大きく開かせ再び奥深くまで舌をねじ込んだ。
「……ンッ…ッ」
大きく開かれた唇は、まるで隙間なく空気さえも入れない勢いで混じり合えば、熱くねっとりとした唾液が口内で重なり合う。
くちゅくちゅっといやらしく激しい音を出しながら、絡まり合う舌は私がキスをしていた時とは違いまるで互いの境目が分からなくなるほど激しく甘くトロトロだ。
「……んっ…さと、る…」
私からのキスはどうしたんだと思いながらも、すでに口内を激しく甘やかされた私の思考はないも同然で…まんまと悟にエッチで濃厚なキスをされてしまった私は、唇を離し満足そうに微笑む悟をぽーっとした表情で見上げた。