第23章 待ちきれなくて
「へ?」
「それしてくれたら、ちゃんと寝るから!」
まさかの悟の言葉に大きく目を見開く。まさかそんな流れに持っていかれるとは…
まるで駄々をこねる子供みたいに唇をとんがらせる悟は、私を真っ直ぐにうるうるとした瞳で見つめてくる。
ず、ずるい!そんな顔するなんて!!
しかもエッチで濃厚なキスって…どうやったらいいの…
「いつもキスもエッチ誘うのも僕からじゃん、たまにはリンからして欲しいな」
悟に言われ思う。確かに…私はエッチに誘うどころか…キスすら自分からはした事がないことに気が付く。
それは悟が不満に思うのも無理はない…だってもし私も悟からキスをしてくれなくなったらきっと不安に思うかもしれない。
私のことちゃんと好きかな?って…
私は悟にそんな思いをさせていたわけで…
「分かった!じゃあ目つぶって!」
私は意を決しそう言うと「やったー♡」と嬉しそうに笑い瞳を閉じた悟を見つめた。
つぶられた瞳に伏せられているまつ毛は、髪と一緒でとても綺麗な透き通った白色をしてる。
色白の肌は毛穴一つなくまっさらで、筋が通った鼻と形の良い唇を見て思う。やっぱり悟ってとんでもく整った顔立ちをしている。
そんな事を考えていた私に「ねぇ、まだー?」と待ちきれない様子の悟がまぶたを閉じたまま不満そうに呟いた。
「いま、するから!」
私は緊張しながらも悟の胸元のTシャツをギョッと握り締めると、悟へとそっと顔を近づけキスを落とした。