第23章 待ちきれなくて
やっぱりこれが私達らしい。もう喧嘩は…したくない。
まぁそんなの無理だろうけど、それでもやっぱりできることならいつだって仲良しでいたい。
「お腹すいたなら何か食べに行こうか」
「悟は夜ご飯食べたの?」
「いや、僕もまだ。まぁそんな腹減ってるってほどでもないけど」
「じゃあコンビニで買ってきてお部屋で一緒に食べよ、悟も休んだ方が良いし」
上着を着て財布とスマホをポケットに入れると、ドアの前で立っていた悟はサングラスをした後「はいっ」と言って手を差し伸べる。
私はそれに笑顔を向けるとぎゅっと優しく悟の大きな手を握りしめた。
2人で手を繋ぎながらコンビニへ向かうと、ラフな格好をした私と上下黒の服を着てサングラスをしたやたらと目立つ顔立ちの長身の男はあまりに違和感があるのか、周りからの視線がいつもよりも凄い。
だけど私達はそんな事気にする事もなく、2人で手を繋ぎながらニコニコと笑い合い買い物をした。
お弁当を2つと、悟オススメのコンビニスイーツを買う。
いつも忙しいのもあり、こんな当たり前で普通のことを今までしてこなかった私達。だからこうして悟とコンビニでも一緒に行けるのが何だかやけに嬉しい。
「悟、ありがとう」
「いーえっ」
結構いつも通り悟がお金を出してくれて、買った物が入った袋を持ってくれる。