第23章 待ちきれなくて
優しく舐めとるようなキスから
激しく互いの舌と舌が絡まり合うようなキスへと変わっていく。
「んっ…ふぁ…ッ」
くちゅりっといやらしい音を立てながら、銀の糸を引くようにして唇と唇が離れた瞬間大きく息を吸えば、私を見下ろす悟の姿が目に入る。
私はそんな悟を見上げながらそっと白い目隠しへと手をかけた。
はらはらと落ちていく白の包帯。
その瞬間、2人の視線が絡み合う。
そしてそこに見えるのは…綺麗な碧色の瞳の下に薄らと出来たクマ。
「…悟、もしかして寝てない?」
「うん、リンのこと考えてたら寝れなかった」
そう言い私を切なげに見つめる悟の頬に、私はそっと触れる。
もともとショートスリーパーだと言っていた悟が、クマを作ってこんなに疲れた顔をしているなんて、よっぽと私は悟を悩ませてしまったんだろう。
「…ごめんね」
「謝らないで、僕だって悪かったんだから」
「でも…」
「あと昨日えげつない量の任務こなして来たから寝る時間なかったっていうのもあるし」
「…悟がいつか過労死しないか心配」
「平気だよ、僕最強だから」
その言葉に、私は悟の顔を心配気に見上げる。
「最強だからって…疲れないわけじゃないでしょ」
「ははっ、まぁね」
「それに…最強だって休んで良いんだよ。てゆうか休まなきゃダメ…まぁこんなところまで悟を寝ないで来させてる私が言うのもおかしいけど…」
ポソリと落ち込んだように呟く私に、悟は「ふふっ」と小さく笑うと「じゃあ最強の僕を癒せるのはリンだけだから、リンが僕を癒してくれたら問題は解決だね」と優しく瞳を細めた。