第22章 揉め事
何だか申し訳ないな、行く前にちゃんと一応連絡しとけばよかった。
と思い、そう言えば私七海君の今の連絡先知らないかも。
なんせ別れてからは、携帯からスマホに変わった時代だったからなぁ。
「七海君!連絡先教えて?」
「これはまた随分いきなりですね」
「一緒に任務行くのに連絡先知らなかったら困るしね!」
「まぁそうですね」そう言って携帯の番号を教えてくれる七海君。私はそれをスマホへと打ち込む。
「えーっと私の番号わねー」と番号を途中まて伝えたところで「あぁ、番号変えてないんですね」と私のその先の番号をスラスラと言っていく七海君。
「…七海君、私の番号覚えてたんだ」
思わずスマホを見つめていた七海君をボーッと見上げると、彼はハッとしたような顔をした後「偶然です、数字を覚えるのが得意なので」と言って視線を逸らした。
そっか、七海君って数字覚えるのが得意なんだ。知らなかったなぁ。
「では行きましょう、今回は簡単に終わりそうな任務ではないので」
七海君は再び私へと振り向きスマホをポケットへとしまうと、私も彼の隣に並び「頑張ろうね!」と言って二人一緒に歩き始めた。