第21章 恋人とデート
それに、こうして綺麗な魚が泳いでいるところを見ると余計に思い出してしまう。
あの沖縄での任務のことを。
きっとあそこから私達は少しずつ変わり始めた。
少しずつ少しずつ、まるで砂時計の砂が落ちるみたいに。私達の時を少しずつ押し流した…。
「悟…私さ、時々傑のことを思い出すの」
そう呟いた私に、隣で水槽を見ていた悟がこちらへと振り向く。
「教室でくだらない話で四人で笑ったこととか、任務でヘマして悟と傑が先生に怒られたこととか、皆んなで遊びに行った時のこととか」
そう語りかけるように話し始めた私の言葉を、悟は静かに聞いてくれる。
「この前悟の部屋で私達四人の写真を見たんだ、その時思ったの…私にとって傑は今もあの頃と何もかわらないって」