第21章 恋人とデート
そうだ、悟と一緒にいるならこの視線や声を気にしたら負けだ。
よく考えれば高専時代なんて、街に出れば毎日の事だったじゃん。その時はここまで気にしてなかったんだけど。けど今は…彼女だからか、やけに気になってしまう。
というより…悟が平気で外でもイチャイチャラブラブどころか私に甘い顔をしながらくっついてくるものだから…周りの視線がより凄いんだよね。より睨まれてるんだよね…
あんなイケメンに相応しくないとか思われてるんだろうな…
うん、確かに。私と悟って見た目全然釣り合ってないよね。とゆうより悟に釣り合うレベルの顔面偏差値の人って存在するのかな。
そんなくだらない事を考えていると「リン降りるよ」と言って繋いでいた手を引かれ電車を降りた。
水族館までは歩いてすぐで、チケット売り場へ並ぶと当たり前のように悟が私の分のチケットまで購入して渡してくれる。
「お金払うよ!」と言っても「僕がリンからお金受け取るわけないでしょ」なんて優しく言われてしまって、前回のデートでも思ったけど、やっぱり悟はおそろしくスマートで相当デート慣れしている。
そう思うと、少しだけ胸がモヤモヤしてきて。またそれを打ち消すかのようにして顔をブンブンと横へ振る。そんな私を見た悟は不思議そうな顔をしていたけれど「チケットありがとう!」と言って再び手を繋ぐと私達は水族館へと入った。