第21章 恋人とデート
「水族館楽しみだな〜」
隣ではスマホで水族館のサイトを見ている悟。昨日言ってた通り初めて行くからかワクワクしているのがすごく伝わってくる。
「だね!私も何年ぶりだろー、あとその後のパンケーキ屋さんも楽しみ」
「僕最近コンビニスイーツばっかりだったから、たくさん食べちゃお」
悟と電車に乗るのなんて高専時代以来だけど、やっぱりものすごく目立っている。電車って密室みたいなものだからか…いつもよりもさらにたくさんの視線を感じる。
だけど当の本人はいつもの事で慣れてしまっているのだろう、相変わらず周りの雰囲気なんて気にする事なく私の手を握り締めるとニコニコと笑顔を向ける。
「ねぇねぇあの人俳優さんかな?」「え?足長すぎない?スタイル良!」「隣彼女かな?」「手繋いでるしそうでしょ!」「アレ彼氏とか羨ましすぎる、何したらあのレベル落とせんの?」「やっぱあれじゃない?あっちのテクじゃない?」
そんな声が聞こえてきて、思わずうつむきボッと赤面してしまう。
テクって…私のテクニックってこと…!?私って側から見たらそんなふうに思われちゃうの…!?
何故か焦って赤面している私に気がついた悟が顔を覗き込むと、そんな私を見て「僕リンの裸見れば視覚だけでイケるから、あながち間違ってないよね」とニヤリと笑った。
ちょっ…さっきまで興味なさそうにしてたのに、聞いてたの…!?視覚だけでイケるって…他の人に聞かれたらどうするの!と思いながら悟をキッと強く睨み付けた。
そんな私に悟はクスクスと楽しそうに笑っている。