第20章 心配症
前回付き合う前に一度だけしたデートは、悟がとっても素敵で楽しくて大人なデートを考えてくれたから…今度は私が考えたい。
そう思いながら少し悩んだ末。悟が考えてくれたデートとはまた違う方向性にしてみようと思い。
「水族館なんてどーかな?ド定番なデート!」
そんな私の言葉に、悟は二度ほどパチパチと瞬きをする。
あ…もしかして嫌だったかな…?
「水族館はちょっと…子供っぽすぎたかな?」
「えへへ」と小さく笑いながら誤魔化そうとした私に、悟は表情を戻し「ごめんごめん、そうじゃなくて!」と言うと。
「実は僕水族館行ったことないんだよね、だからすごい興味ある!」
「そうなの?水族館行ったことないの?」
悟ならデートとかで何度も行ってそうだと思ってたけど、私と行くのが初めてならすっごい嬉しいな。
「ないんだよね〜まぁ子供の時は五条の僕が外でそんな気軽に遊べる感じじゃなかったし、大人になってからはそもそも水族館に行くって発想がなかったかも」
「え?それはつまり私が子供っぽいということでしょうか…?」
「えーそんなつもりで言ったんじゃないよ〜それにリンは子供っぽくても可愛いよっ」
ん?それはつまり子供っぽいって結局言ってるの…?
というか…
「悟に子供っぽいって言われたくないー」
「え?僕子供っぽい?」
そんなまさか!とでも言いたげに驚いた表情を見せる悟。
「見た目はバリバリ大人だけど…」
むしろ大人の色気むんむんだし…背も高くてサングラスもしてて、誰がどこから見ても良い男全開だけど…
「性格は子供っぽいよね!ほら適当なところとか、自由奔放なところとか!」
「え〜初めて言われた〜」
「絶対嘘だ!だってこの前硝子も言ってたよ!五条はいつになったら大人になるんだって」
クスクスと笑いながら悟へ顔を向けると「あーそう言う事言っちゃう?」と言ってニヤリと口角を上げて笑うと。
「なら僕が大人だってこと、もっとたっぷり教えてあげないとダメかな」
と甘美に笑うと、私の顎先を掴み深く溶けてしまいそうなキスを落とした。