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【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第3章 初めての



「悟ッこれ見て!ちょっ…凄いよ!!」



「はーいはい、良いからリンちゃんはそろそろお片付けしましょうねー」




悟は山積みにされた呪具を綺麗に棚へと戻していく。




「いやだってこんな宝の山スルー出来ないよぉ!それにしても凄い量だね!うちの学校にこんな所があったなんて!」




「まぁ普通は立ち入り禁止だからな。気を付けろよ。この棚一つでも総額億はくだらないぜ?盗みなんてしたらそれこそ処刑対象だ」




「盗まないよ!失礼な!てゆうか…億って本当に…?」




「あぁ」と言って悟は目の前に置いてある短刀を一本取ると、それを上に持ち上げぐるんぐるんと乱暴に回してみせる。




「億なんでしょっ!?やめなよ!!」




どうして私達がここにいるのかというと、夜蛾先生に言われた罰がこれだからだ。




普段立ち入ることの出来ない貴重な呪具の置かれた倉庫の掃除。




でもそんなの私からしたら罰でも何でもなくて、ただの宝の山でしかない。




だけれど、悟に億はくだらないと言われ先ほどまで目をキラキラさせていた自分の浮かれた気持ちを押し殺し、慎重にほうきで床を掃いていく。




慎重にやっていたはずなのに、いや逆に慎重にやりすぎていたのかもしれない。下ばかり見ていた私は後ろの棚に気が付かず、思い切り背中を棚へと打ち付けた。




「きゃぁッ!」




その瞬間、ぐらりと揺れた棚。



そして棚の上からどんどん落ちてくる呪具達




ヤバイ!と思いほうきを投げ捨てて慌てて手で頭を覆う。


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