第19章 長年の気持ち
「硝子に付き合った事報告しないとね」
「そうだね、僕も硝子にはなんだかんだ世話になったし」
「そうなの?」
「まぁね、ほらアイツ意外とお節介だから。よくリンの事で怒られたりしてたよ」
「そっか、そうだったんだ…」
硝子は悟が私をずっと好きだったって知ってたんだ。私は全然気が付きもしなかった…
「明日の午後、高専行くからその時に言おうかな」
「それなら僕も一緒に行くよ」
私の頬をむにむにと長い指でイジりながら言ってくる悟。
「私だけで平気だよ、悟忙しいでしょ?」
「えーだってせっかくなら、僕達のラブラブっぷり硝子に見せたくない?」
「んー…私は良いかなぁ」
硝子の前でラブラブするとか、恥ずかしすぎて絶対無理だ…どう考えても照れ臭い。同級生にそういうの見られるのって…普通より何か照れ臭いよね。
「リンちゃーん、そんなこと言わないでよー。僕明後日から一週間も出張なんだよ?」
「え?そうなの?一週間は長いね」
「そうだよー、付き合ったばっかりで出張とか本当ついてないよね。だから少しでも一緒にいさせてよ」
そう言いながら甘えたような声を出す悟に、勝てるわけもなく…「じゃあ一緒に行こう、でもラブラブは控えてね」と言うと、分かっているのか分かっていないのか、悟は嬉しそうにニッと笑った。