第19章 長年の気持ち
「そろそろ寝る?」
「うん、そうだね。もうこんな時間だもんね」
時刻は3時になろうとしている。今日も朝から仕事だ。
パチっとベットサイドにある電気を消した悟は、私のおでこにかかっていた前髪を優しくよけると。そっと額にキスを落としたあと。
「朝目が覚めたら、僕の腕の中にリンがいるのかと思うと嬉しいな」
「ふふっ、私もだよ。悟に抱きしめられて眠れるなんてすごく嬉しいし幸せ」
「おやすみ、リン」
「うん…おやすみ。悟」
悟は最後に私へと深い深い口付けをすると、もう一度私をしっかりと両腕で包み込んでから瞳を閉じた。
悟の体温が温かくて安心する。
悟の香りが心地良い。
幸せだ。
間違いなく、私は今幸せだ。
悟…私を10年も待っていてくれて…
ありがとう。
私をずっと好きでいてくれて
ありがとう。