第19章 長年の気持ち
「本当は、今すくリンのことめちゃくちゃになるまで抱きたいけど、さすがに付き合った日に手を出すほど僕も節操がない男じゃないからね」
再び私の隣へと寝転んだ悟は、私をギュッと引き寄せる。
「しかも、今はこうしてるだけでありえないくらい幸せだしね」
目を細めて幸せそうに笑う悟を見て、私も悟の背中へと腕を回した。
「別に、私はしてもよかったよ…キス以上のこと…」
ぽそりと小さく悟の胸元に向かってそう呟けば、悟の綺麗な碧色の瞳がギョッと見開かれる。
「ッちょっと…もしかして僕の理性試してる?」
「そういうわけじゃないよ…本当にそう思ったから言ったの…」
だってさっき、悟が離れた瞬間…寂しいって感じたんだもん。
「いやいや、本当マジでオマエ…そんな可愛いこと言われたらいくら僕でも我慢できないんだけど」
「はあぁ…」と大きなため息を落とす悟は「いや、でも今日は絶対これ以上手出さないから!だから僕のこと煽らないで!そそのかさないで!」と言って顔を手で隠した。
そそのかすって何だか私が悪い子みたいじゃ…と思いながらも、悟のその気持ちが嬉しくて、私を大切にしてくれようとするその気持ちが嬉しくて、ニコリと笑うと。
「じゃあ、ぎゅってしながら寝ても良い?」
悟の背に回していた腕に力を込めた。