第19章 長年の気持ち
「僕は、リンの匂いに興奮するけどね」
悟はそのまま私の首元へ唇を寄せると…小さくキスを落とした。
そして、いつの間にか私の身体は仰向けに向けられており、悟が私の上へ覆いかぶさっている。
「…キスしても良い?」
私を見下ろす悟の表情はとても色っぽくて、私の心臓を熱くする。
緊張しながらも私はコクリと頷くと、悟の吐息に飲み込まれるようにして唇を重ねた。
「……っん…」
優しいキスを何度か交わしたあと、悟の舌が私の舌を絡めとる。
くちゅりっと音を上げ、互いの唾液が混ざり合うようにして口内が溶けていく感覚。
唇が熱い…
「……んっ…ふぁッ」
何度も角度を変えて私の唇を弄ぶようにして口付けをする悟は、薄らと瞳を開けると…とても色っぽく微笑んだ。
「リンの声…っエロすぎ」
ニッと口角を上げ余裕気に微笑む悟。
私はそんな悟の首へ腕を回すと、悟の唇へと優しく噛み付いた。
突然の私の行動に、余裕そうに私を見下ろしていた悟の目が見開かれ、一瞬動きを止める。
だけどそれはほんの一瞬で…悟は今度は真剣な表情で私を真っ直ぐに見下ろすと、再び強く唇を塞いだ。
「……ッん…っふ…んン」
口内を激しく掻き回され、互いの唇と唇の境目が分からなくなる。
唇も舌も悟へ捕まっている腕も熱い。
ぼーっとして良く回らない頭で悟を見上げると、悟は先ほどとは違い、余裕が無さそうに眉間にシワを寄せて私を見ている。
「…そんな煽られ方したら、抑えられなくなる」