第17章 二人でデート
「あほ可愛いかな」
「あほ可愛い…?」
ゆるキャラみたいな感じだろうか…てっきり悟はビシっとした出来る女性です!みたいな人がタイプなのかと思っていたから、何だか意外だ。
「僕さ、その子の笑った顔がすごい好きなんだよね。周りまで笑顔にしてくれるようなそんなその子の笑顔が」
そう言い夜景を見つめる悟の横顔は、凄く優しく映って見える。
「なのに自分の弱さには鈍感で、いつも自分で何とかしようとするそんな強い部分もある。だから僕はいっつも心配ばっかりしてるよ、まったく最強の僕に心配させるなんて贅沢なヤツだよね」
その悟の言葉に「ははっ本当だね」と短く返事を返す。
だって何だか変だ…
「僕はその子のことがずっと好きなんだ、もうずっと前から。本当馬鹿なんじゃないのってくらいその子のことだけが好きなんだ」
何だか…私…変だ…
「きっともう一生、こんなに誰かを好きになることはないよ。こんなに誰かを愛しいと思うことは…ないよ」
その子を思い出し愛おしそうに笑う悟が。
困ったように眉をひそめ優しげに微笑む悟の表情が。
何だか私の心臓を変にする。
どうして私はこんなにも…
苦しいのだろうか…
どうして私はこんなにも…
辛くて胸が痛いんだろうか…