第17章 二人でデート
「うっわぁ!これすごい美味しい!口の中で溶けたよ!!」
口に頬張るお肉を噛み締めながらぽっぺたを抑える。
「リンは本当に美味しそうに食べるね、連れてきた甲斐があるよ」
グラスへ口を付けながら目を細め優しく微笑む悟に、思わずドキンっと心臓が脈を打つ。
きっと悟が僕にドキドキしてとか変なこと言うからだ。何だか今日の私は私じゃないみたい…
だけど、悟とのデートはとってもスマートで優しくて、それにすごく楽しくてずっと笑いが絶えなかった。今思えばこれって練習必要なの?と思うほど悟はデートに手慣れていて…
夕食には、とっても綺麗な夜景が見える鉄板焼きのお店で、とっても美味しいお肉を食べている。
今日一日の事を考えると、やっぱり悟ってこういうことに慣れているのかもしれない。
それなのに呑気な私は、今日がデートの練習だということもいつの間にか忘れて楽しんで…
悟の方へ目を向ければ、私を優しく見つめてくる悟にドキドキまでしちゃってる…まんまと悟の練習にときめいちゃっているわけだ…今までそんなこと考えもしなかったのに。
「悟のさ、好きな人ってどんな人なの?」
ぽつりと呟いた私に、悟は「うーん」と考えた素振りを見せたあと口を開いた。