第16章 酷い夜だからこそ
普段あまり休みがないせいか、こうして少し時間が空くと何をしたら良いのか正直分からなくなる。
これが仕事人間っていうやつなのだろうか…
スマホを開き、悟へ昨日のお礼と少しは眠れたのか心配しているという事、あと今度今回のお礼をするという内容をメールすると、1分もしないうちに返事が返ってくる。
【僕も映画観ながら寝ちゃってたから大丈夫♪僕のこと心配するのリンくらいだよ。ありがとう】
そっか、悟も少し寝れていたのならよかった。
「心配するよ…当たり前じゃん」
だって悟は私の大切な……
スマホを見ながらそんな事を考えていると、私が返信をするよりも早くもう一通のメールが悟から届く。
それをタップし開いてみれば。
【じゃあお礼はデートがいいな。次の休み決まったら教えて】
「…デート…?私と悟が?」
一瞬びっくりしてしまったけど、でも悟の事だ。ただ遊ぼうってことをデートって言っているだけかもしれない。きっと遊んだ先でお礼をしてくれってことなのかも。
私はそんなメールに【分かった!決まったら連絡するね】とだけ返信をすると、そのままスマホを閉じた。